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2006年10月31日 (火)

「存在の情けない軽さ」東京国際映画祭?

先ごろ終幕した東京国際映画祭の、グランプリ受賞作品について情報がほしいなと思って、シネマトゥディを見て少々驚いた。

グランプリには予想外の作品が…

最高栄誉の“東京サクラグランプリ”を受賞したのは、フランス映画『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』。本作は1950年代から60年代にかけて大ヒットした人気シリーズの最新作で、ジェームズ・ボンドのコメディ版ともいえる作品だ。今回の受賞にかんし、審査員はかなりもめたようで、審査員の1人である柳町光男監督は「僕は反対したけどね」と正直な意見を口にした

 グランプリに輝いたミシェル・ハザナヴィシウス監督も、今回の受賞に驚きを隠せない様子で「『リトル・ミス・サンシャイン』が受賞すると思っていたよ」と謙虚な一面をのぞかせつつも、うれしそうに受賞トロフィーを眺めていた。

へぇ、そうなんだというのが、読んだ直後の素直な感想だった。
いや、スパイ映画だというんで、なんか一応はシリアスなサスペンス路線、だけどおフランス、といった作品を想像していたので、まさかコメディとは思いもよらなかった。そして柳町監督のこの言葉。へぇ、すごいなぁ、と思ったのだけど、

今朝の朝日新聞を読んで、さらに驚いた。

「東京国際映画祭を振り返る(上)」

 表彰式で「OSS」の最高賞が告げられると、どよめきが起きた。コンペ15作中、新聞記者ら7人による5点満点の星取表で平均2.4点最低だったからだ。
 (略)
 審査委員のガリン・ヌグロホ監督は「15作品に、これはすごいと感じられる作品がなかったのは問題」と指摘。「OSS」についてはビル・メカニック審査委員が「芸術的でありながら、娯楽として楽しめ、毒がない」と皮肉な講評。それも個性ということか。
 ある海外ジャーナリストは「『OSS』を選んだのは、低調なコンペ作品に対する審査委員の抗議ではないか」とみる。
 受賞記者会見でも、最高賞にもかかわらず質問がなかなか飛ばず、また、声がかすれて出ないとの理由で、「質問しないでくれ」と監督自身が半ば冗談で語る奇異なものとなった。

……マジすか?
いやぁ、よく映画祭で、今年のコンペは低調だった、最高賞には納得いかない、とかいう評を最後に聞く。それは映画祭を振り返るときの決まり文句のようなものだ。しかし、なんか、これまで低調だったといわれる、いかなる映画祭とも異なる、とてつもない悲惨な映画祭だったのじゃないのか、こりゃ?

 作品の表現以外でも、想定外のことが続いた。
 ただ一人の俳優、女性として審査委員に加わった工藤夕貴「海外での撮影」を理由に、表彰式と審査委員会見を欠席作品への評価、観客へのメッセージも公にしなかった映画祭の存在の軽さを映し出すかのように見えた。

いやぁ、なんだかちょっと……工藤夕貴がそんなことをするってのが残念。映画祭自体がどれほど軽かろうが、審査員を拝命した以上、最後まで勤めてほしかったなぁ、う~ん。

 また、「アジアの風」部門の最優秀作品が、初めてコンペ部門の芸術貢献賞を受賞したが、この「部門またぎ」のシステムを当の監督は「前日に知った」という。異なる選考者、選考基準で選ばれた作品を、同じ土俵で競わせることに、強い疑問を持つ審査委員もいた。
 コンペ作品の選考責任者の田中千世子さんは「批判は謙虚に受け止める。今後、議論を深めたい」と話す。

この前日に知ったという当の監督って、「アジアの風」最優秀作品にして芸術貢献賞受賞作のパトリック・タム監督ですかね。それはともかく、「部門またぎ」って、東京国際映画祭ならではなんですかね。よくわからないんだけど。

 開幕直前に審査委員長が急きょ、クロード・ルルーシュ監督からジャンピエール・ジュネ監督に変更されたことを含め、映画祭の「顔」たるコンペ部門のごたつきが、後味の悪さを残した。

とまぁ、朝日の記事はしめくくられているんだけど、さぁ、この先、どんな風に綴られるのか。
…はてさて、そんなにも酷かったのかと唖然呆然。一番哀しいのは、日本のメディアが、こうした日本の最大規模を誇る映画祭の実態を、なんら報道しないこと。実態を伝え、そのうえで、業界関係者のみならず、一般の映画ファンに至るまで、この状態が問題だと認識しないと駄目だ。日本で最も規模の大きな映画祭が、こんなザマだというのは、日本映画の恥だ。

とにかく、コンペ作品に「これはすごい」と審査員のみならず、見るものを唸らせる作品を入れる。できればコンペ参加作品全てがそうであるようにする。それが急務だろう。映画祭が評価されるのは、それが目利きである場合だ。その眼力でもって、優れた作品を発掘し、まず誰よりも最初に認め、さらに世界に向けて発信する。それが出来たとき、初めて、その映画祭は存在意義をもつ――と私はそう思う。だが、とてもじゃないが、東京国際映画祭は、その域に達していないようだ。

秋からの映画祭シーズンは、海外では、その年の映画賞レースに直結する重大な季節だ。賞と評価をねらう映画人たちは、映画祭を巡り、自身の作品をアピールしていく。そして、各映画祭での評判は確実に、アカデミー賞を筆頭とする映画賞へと結びついていく。そういう季節に開催しておきながら、なんら世界の映画界の状況に関与しえない映画祭というのは、あまりに悲惨すぎる。
金をかけて、むやみやたらに規模と体裁だけは、日本最大、アジア最大の映画祭となっても、こんな体たらくではやめてしまったほうがましだ。いやいや、その金、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にまわしてやってくれ。

ところで、ブログ「ラッシュライフ」さんは、東京国際映画祭に足を運び、実際にこのサクラグランプリ作品「OSS」をご覧になったようだ。で、いわく

う~ん、この結果には意外。
確かに、面白いし、おバカ過ぎるし、良い意味で下らない内容だし、たくさん笑わせてもらいましたが、
何とグランプリに選ばれるとは・・・、驚きでした。

他にも受賞しそうな素晴らしい作品はあったんですけどね。
そう思ってた作品は、グランプリには選ばれなくとも、他の賞を受賞していました。
十三の桐」が審査員特別賞を受賞出来たのは良かったです。

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