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2006年11月 1日 (水)

「白虎隊」でヒガシが殿様を演じるということで思ったこと

NEWSの山下智久が「白虎隊」というドラマに出るらしい、主演らしい、という話は知っていた。で、次のニュースで、それがテレ朝の新春ドラマで、そこには東山もまた出演するということを知った。

リンク: ニューストップ > 芸能 > ヒガシ演じるのは会津藩主、テレ朝系新春ドラマSP「白虎隊」 - Infoseek ニュース.

NEWSの山下智久(21)が主演するテレビ朝日系新春ドラマスペシャル「白虎隊」(来年1月6、7日放送予定)で、少年隊の東山紀之(40)が会津藩主役を演じることが10月31日、同局から発表された。

へぇと思わされることがいくつか。
まず、ほんとにテレ朝は今景気がいいんだなということ。それは、昨日から始まった中村橋之助主演「太閤記~天下を獲った男」でも感じたことだけど、ちょっと前までには考えられなかった、規模の大きな、そしてネームヴァリューのあるキャストを配したドラマを、ポンポンとコンスタントにもってくるもんだな、と感心する。いや、このドラマ、まさかテレ朝とは思いもしなかった。てっきりフジか、さもなきゃジャニドラではずっとキャリアのある日テレあたりだろうとばかり。

そして、もう一つ。ああ、やはりヒガシが殿様なのね、ということ。これは、あ~あ、またヒガシかよ、とかいうネガティブな感覚ではない。ああ、これこそが東山の素材感、彼以外にありえない配役であろうという、至極肯定的な相槌、のようなものだ。

ジャニーズの擁するタレントの中でも、彼以外に、藩主などという役が似合うものはおるまい。

キャリアを積んだ、海千山千の芸能界でしたたかに鍛え上げられたジャニタレたち、彼らのタフな顔つきを、ジャニタレ嫌いの私ではあるが、実はけっこうスキだったりする。始まりはジャニーズでも、そういう連中は、もはや結構タフな役者だ。だから、ジャニタレときくだけではじめは怪訝な顔つきをしていた私も、いまや結構好きな役者が何人かいる。V6の井ノ原であるとか(無論、岡田や森田とかもね)、TOKIOの面々とか(ドラマ「リング」の長瀬には驚かされましたよなぁ)、元男闘呼組の岡本健一とか。無論のことSMAPの面々も。いや、実に、彼らは舞台出身、映画生え抜き、といったプロ中のプロの役者に比べてもひけをとらない演技力と存在感を発揮する。いや、ほんと大したもんだ。

でも、そういう芸達者な彼らだが、芸達者でありながら、なんのかんのいって、その役柄の幅は狭いような気がする。男の役柄としては、やはり「いい男」であり、職業としてはどうもサラリーマンよりも、自由人(といえば聞こえがいいが、カタギでない人というか)、まぁ、ホストやヤクザ役というのはあまりないような気がするが、長瀬と岡田が「タイガー&ドラゴン」で扮したような役柄は、或る意味、彼らベテラン・ジャニタレ役者の典型的に似合う役なのではなかろうか。その意味では、背広姿の公務員(刑事)をまったく無理なく演じられる井ノ原(「警視庁捜査一課9係」)は貴重な存在かもしれない。あ、TOKIOの山口はNHKのドラマでカタギの、銀行員だか公務員だかを演じていたっけなぁ(でも、それこそ大工とか、腕を要求される男っぷりのよい役をすりゃあいいのに)。はたまた、最近では太一くんが気のいい一児のパパにして妹思いのサラリーマン姿をCMで披露してくれてるけど、これまた無理がない。

芸達者なことでは、おそらくベテラン・ジャニタレ役者のなかでは最高峰であろうSMAP、彼らにも同様のことがいえる。カタギがはまるのは現在SMAP一の演技巧者と目される草彅剛だが、他のメンバーはやはり、どちらかというと、カタギでない、破天荒な役柄が多いような気がするが、どうだろうか。いや、カタギでないというよりも、日常的な役柄と、破天荒で非日常的な役柄という風に分けてみようか。で、日常的な役柄のほうが、演技力を要求されるんだろうと思う。だから、剛くんは、そういう役をこなすわけだから、大したものだという……。
香取慎吾で私が思い出すのは、昔々の「沙粧妙子-最後の事件-」でのシリアルキラー役、ああいうのを見るものにすんなり納得させられるのだから、このガキ、只者ではないなと思ったのを今も鮮烈に思い出す。ま、彼も比較的、役柄の幅の広いほうとは思うが、つよぽんのように演技力があるとか、なんでも受け付けられどんな人物の仮面でもかぶれるような素材だからというよりも、慎吾くんが演技に対して意欲旺盛で、どんな仕事でも受けるからのような気がする。

破天荒で非日常的な役柄を得意とするという点では、スーパースター・キムタクも同様だろう。ただ、慎吾くんのようなシリアルキラー、みたいなヤバい役というのはなかったと記憶しているが、彼の演じさせられる役は、夢のようなゴージャスで景気のいいスーパーな男ではなかろうか。レーサーだの、パイロットだの、美容師だの(あれは腕はいいが人気がないんだったか)、シャイなピアニストだの……で、「HERO」では検事という普通ならカタにはまった公務員を、破天荒に型破りな常識はずれな検事にしたんだよなぁ。まぁ、無論、面白くなかったとはいいません。ハイ。でも、演技者としては、まさに剛くんの真逆をいってるという印象があるなぁ。で、破天荒なほうが演じやすいって定説もあるし。地味な役を演じて魅力的にみせてこその演技力だ。

そんな演技の上ではスーパーな役柄を演じるキムタクをして、時代劇で割り振られた役は、藩主の毒見役という、さほど身分の高くない武士の役であったわけだ。

まぁ、ざっと見たかぎりで、そもそもジャニタレ役者に詳しくない私がいうことだから、ロクでもない話ではあるが、並み居る演技巧者をして、殿様が演じられるのはヒガシだけという気がするのである。

時代劇において、殿様が演じられるのは、実は案外限られている。演技力があって、キャリアが長くても、だからといって誰にでも殿様役がまわってくるとはいえないのである。そこには、オーラが求められる。殿様というポジションは、時代劇で主役を張るのとはまた別種のオーラが求められるのだ。だから、案外と、時代劇の主役を演じなれている人でも、イコール殿様役を務めているかというと、案外そうでもない。

例えば、必殺シリーズで人気を博し、日本人なら誰でも知っている中村主水こと藤田まこと氏、彼が殿様を演じているところを見たことがあるだろうか? いや、長いキャリアの藤田氏であるわけだから、演じていないとはいいきれない、いいきれないのだが、藤田まことといえば、「てなもんや三度笠」の、あんかけの時次郎であり、「必殺」の中村主水であり、はたまた最近では「剣客商売」の秋山小兵衛という具合で、時代劇の、江戸社会のヒエラルキーからしたら、けっして高い位置にあるとはいえない、市井の人物たちを演じているイメージがある。
最近「大奥」で家康やったけど、あれも、現在のキャリアと芸能界での地位声望があればこそだろう。

では、殿様といえば……例えば、里見浩太郎。彼は逆に、どんなに表向きは浪人であっても、実は江戸時代のヒエラルキーでいったら高位にあるものにつながる役を演じることのほうが実は多い。「松平長七郎」とかね。

殿様を演じるのにキャリアは関係ないという一番の事例は、「暴れん坊将軍」の松平健である。彼には一応、勝新太郎の後押しがあったとは思うのだけど、だけど、「暴れん坊将軍」の吉宗に彼が抜擢されたとき、え!全然知らない人が!と驚愕したことを今も懐かしく思い出す。で、こんな名も聞いたことない人で大丈夫かよ、と思ったことも。だけど、出来上がった映像のなかで、彼は見事に説得力をもって吉宗を演じ、視聴者を納得させてしまい、以来、人気のあるシリーズへと発展していったことは、周知のとおり。

あと、個人的に、この人は殿様役者だなぁと思うのは、若大将こと加山雄三である。
まあ、この人の場合、生まれも育ちも、デヴューしてからもずっと、いいからなぁ。大河ドラマの「翔ぶが如く」における島津のお殿様役は、まぁ、なんつうか、際立っていて、若き日の西郷隆盛の憧れの人ぉ~っ、つう感じがものすごく説得力あったのだよね、西郷が「この人のためにオイラがんばるっ」、でもって早死にして、心の中の永遠のイコンとなるというのが。

とまぁ、そういう具合に、時代劇における殿様役というのは、簡単に出来るものではないのだろうというのが、私の持論だ。誰にでもハマるのではなく、上で例に挙げた「翔ぶがごとく」における西郷隆盛と島津斉彬のように、ヒーローをその気にさせる男でなくてはならんのよね。西洋だと、騎士道精神を発揮する対象は高貴なる姫なんだけど、東洋だと「この人のためにはオレは死ねる」と思わせるのは、やはり男なのだ。おんなじことは任侠モノにもいえるのだけど、東洋的な君主と臣下の関係は、君主というものに、ただカリスマなだけでなく、何か清らかで聖なるものを要求する。(ヤクザもんだと、カリスマだけでいいんだろうな。)

で、それが出来るのは、今、ヒガシしかいないだろうということなのだ、多分。

並み居るベテラン・ジャニタレ役者は、まだまだ君主に侍る臣下側なのだ。

申し訳ないが、キムタクには、しばらく、その仮面はかぶれないだろう(彼には、慎吾くんの「西遊記」で妙に大物ぶった妖怪を演じるというのが実はあってるのかもしれない)。剛くんも、できるとすれば、筒井道隆がNHKで演じた「上杉鷹山」タイプの君主だろうなぁ(レムス君もいいかも、あ、時代劇じゃないか)。いや、彼が演じる犬公方なんかも見てみたいかも。え?もうやったって? おっと脱線脱線。

さて、記事にはこうある。

東山が演じるのは山下ら白虎隊士を率い、藩の存亡をかけた会津戦争を戦った松平容保。白虎隊士の一員と思って引き受けたという東山は、「“見た目”的には山下とそんなに変わらないと思っていたので、プロデューサーも勇気がありますね」と笑顔。

確かに見た目的には山下とかわらないと思う。だが、両者は全然違う。器だ。器が違うのだ。山下に藩主役が務まるか? うんにゃ、うんにゃ。プロデューサー誰だ、すばらしい目をしている。いや、どんな松平容保ができあがるであろうか。これは、ことによると、時代劇に久しく生まれなかった、新たな殿様役者の誕生をみることになるかもしれない。

で、続けて、ヒガシ主演の連続時代劇が生まれるかどうかは……神のみぞしるだな。

【追記】
ヒガシは昔、時代劇出てたことあったな。新撰組や、「遠山の金さん」での若手同心とか。で、そのものズバリ「若さま侍捕物帖」てのに、主演したこともあるのね。実際、大河ハープポーション、じゃなかった放映期間半年の「琉球の風」でも、主役だったし…あ、大事なもんを忘れていた。大河「元禄繚乱」で彼は、浅野内匠頭を演じたのだったわ!
やっぱ殿様役者じゃ~ん!

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