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2011年5月16日 (月)

栗本薫を偲びつつ(1)

栗本薫が亡くなって、もうどれくらい経つのだろう

彼女の死後、少なくともこれだけはコンプしようと伊集院大介モノを買い求めている。あと2冊で完成だったろうか・・・

で、早速「真夜中のユニコーン 伊集院大介の休日」を手に取ったのが、数ヶ月前、いや1年以上前?
手の取ったはいいが、全然読み進めなかったのである。あまりに酷くて・・・

こういっちゃなんだが、まぁ、文章は同じ形容とフレーズの繰り返し、ミステリとしては最低。もうちょっと書きようがあったのではなかろうか。「魔都」以来、おかしくなった栗本の悪いところをかき集めたような作品だ。

いや、「魔都」以来といっても、壊れた蛇口のようにダダ漏れで、とりとめがつかない文章も、世紀をまたぎこすあたりで、少しは鳴りを潜め、「魔都」以前とはいわないまでも、ある程度は持ち直していたと思うのだ。たとえば「早春の少年」などは、情景描写などに割かれる文章のボリュームはほどよく、かつてのバランスがとれていた出来栄えを思い出させた・・・まぁ、あくまで私個人の嗜好の問題かもしれないが。

せっかく、バランスのよさを取り戻したかようの思っていたのに、ここに来て、またこれか!とウンザリさせられながら、なんとか読み下した。このウンザリ感のおかげだろうか、次の作品「身も心も 伊集院大介のアドリブ」が実によかった。

よいといっても、やはり当節のミステリの、とりわけ隆盛きわめる警察ミステリの諸作品や、「相棒」に代表されるドラマに慣れていると、なんだコレ、といわれかねない。ペンキなのかマニュキアなのか、ちゃんと検証せんのかとか、オチはなんとも、とんだ人情噺だし・・・何より事件というか、被害者が、栗本のオハコ、芸術の神に愛された圧倒的天才というキャラクター像。私は「キャバレー」から始まる矢代俊一シリーズは未読なので、そちらの世界観はサッパリなのだが、「身も心も」での彼についての描写を読んでいて、ああ、またコレかよ、と思わされなかったといったらウソになる。しかも、かつての芹沢胡蝶などと比べたら、些か小粒のような印象もあったし・・・だが、いいのだ。「真夜中のユニコーン」のグダグダさに比べたら、「身も心も」は何万倍も読んでて面白かった。久しぶりに睡眠を惜しんで頁をめくっていた。それは否定のしようもない事実だ。

次の作品は「聖者の行進 伊集院大介のクリスマス」である。私の好きな、あの藤島樹が登場するらしい。これも、いまから楽しみなのである。

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