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2011年8月12日 (金)

「ポリス・インサイド・アウト」

アマゾンにより購入し、ようやく鑑賞する。

さて、で、「ポリス・インサイド・アウト」である。

つまらんホームビデオじゃん、と評価しない向きもあるようだけど
ポリスというバンドが好きで、彼らが見せるちょっとした仕草・表情に狂喜乱舞していた自分としては、このフィルムはもうスバリ、つぼにはまってしまって、たまらんたまらん、ああ、涎が・・・みたいなもんで、

確かに映像は荒いし、ステージにしても、正面からスティングを撮ってるわけじゃないし、時々ピンボケするし、揺れるし、ろくでもないと思うところはある。だが、そのろくでもない、荒削りの映像が、なんとはなしに、エネルギッシュで、数年後、世界最小ユニットでありながら、世界を制覇してしまった、このバンドの「らしさ」を、如実に伝えてると思えたのだ。

撮っていたのは、ドラムのスチュワート・コープランド。ポリス後は、映画のサントラで、数々の名監督と仕事をすることになるわけだが、膨大なフィルムのなかから、取捨選択し、編集していった手腕からすると、彼の才能はただ映画音楽に留まらないといった印象すら受ける。もちろん、音楽のつけ方など言うことなし。しかも、それが、貴重なポリスの様々な音源からだというから、堪えられない素晴らしさ。

映画は、ポリスの内側にいて、内側からポリスを取り巻く環境や、ポリスのメンバーがどんなふうだったかを綴るのだが、しかし、時折、彼スチュワートのみに関する部分が入り込む。たとえばクラーク・ケントのこととか、幼少期を過ごしたレバノンが戦争によって瓦解したことなど。オーディオコメンタリで、アンディ・サマーズがこれらの部分を「何で入れたかわからない」みたいなことをいっていたけれど、「ポリス・インサイドアウト」は、少しだけスチュワート・コープランドの自伝的要素もあると思う。とはいえ、ほんとに、わずかな混入であって、この映画は、大筋、「ポリスの内側にあって過ごした事ども」を綴っている。

非常に興味深いことに、フィルムは、5作目「シンクロニシティー」の製作や発表後のことは描かない。ポリスのキャリアとしてはその手前で終えられている。どうやら、それはスチュが「ポリスが世界の頂点に立った」と考えるところのようである(映画のラストシーンこそ84年だけど)。一ファンとして、バンドの最高傑作として圧倒的な評判をとったと思う5枚目について、それこそポリスの内側にいたスチュの感慨などを聞いて見たいところだったけど、「いわずが花」といったところであろうか。それとも、やはり思い出したくない辛い思い出ということなんだろうか・・・

しかし、このオーディオコメンタリが、すこぶる堪らない・・・スチュとアンディ・サマーズが、コメントをつけてくれるのだから。実をいえば、私は元来アンディ・ファン。いや、もう、買ってよかったと思いました!

それにしても、この作品があって、のちのポリス再結成があったということなんだろうなぁ。

ともすれば、スティングの活躍ばかりが語られ、ポリスそのものについても「スティングが率いたバンド」だなどと説明されることもある。しかし、ポリスには、いわゆるリーダーはいなかったと思う(スティングはただ独りのトップになろうと下克上を狙ってたかもだけど、あとの二人はそれでよしとはしなかったんだろうし)。3人それぞれがおのれの才覚と実力で伯仲し、刺激しあっていた極めて緊張感の高いユニット。だが、そもそもの始まりは、別のバンドにいたスティングをスチュが誘ってポリスを結成したことにあり、アンディ加入のときも、スティングは切望したからといって独断でアンディをいれたわけではなく、アンディも加入希望をスチュに直談判しているし、再結成にしても、こうした映像を編んで、それが引き金になって果たされているし・・・ポリスという3ピースが動くとき、最初の動きはスチュによって引き起こされるといっても過言ではない!

うむ。やはり、まごうことなくスチュはポリスの一画なんだと満天下に知らしめる一篇でありましょう。

それにしても、サンダンス映画祭というのは重要な場だ。こういう素人めいたホームビデオ的作品でも、発表の場を与えてくれ、そして作品の本質を論議する評価を与えてくれる。サンダンスのような場がなかったら、このフィルムが世に出られたかどうか・・・(スティングのお手製フィルムだったら、どんなに陳腐でもありがたがって映画館にかけてもらえそうだww)とまぁ、この作品を通して、改めてサンダンスの重要性を再認識させられもしたのでした。

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