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2012年8月17日 (金)

「遺留捜査」田中哲司殉職の衝撃

テレ朝・木曜ミステリ9時台「遺留捜査」シーズン2を楽しみに見ているのだが、今夜#5にして、脇の要と自分が勝手に思っていたキャラが殉職してしまった!

それは誰あろう、長瀬清文刑事、演じるのは田中哲司である。

「遺留捜査」はかつてはテレ朝の水曜ミステリであった。
「相棒」も放映される水9枠で、主人公の糸村には上川隆也を持ってきて、「相棒」にも張る目玉ミステリにするつもりなんだろうな、というテレ朝の意気込みを感じたものだ。共演者も、警視庁刑事一課課長に大杉漣、係長に佐野史郎、捜査一課の主任刑事に蛍雪次朗、紅一点の堅物女性刑事に貫地谷しほりと、なかなかの顔ぶれで脇を固めていた。

ただ、余りに主人公の糸村を「変わり者で集団から外れていることをものともしない」、杉下右京で確立した変わり者キャラで徹底するために、まぁ大杉以外は、誰も彼も糸村に厳しく、はっきりいって糸村にアウェー感の強い職場環境であった。なんというか、それなりに生活安全課とまったりアットホームな関係を築いていた右京とはエラい違いであった。
蛍雪次朗のコワ面ぶりは(「牙狼」におけるゴンザを演じてる人が同一人物とは思えないほど!)まぁ捜査一課の刑事ってこういうものかも、と思わせるリアリティがあったが、基本コメディエンヌだろうと思われる貫地谷がにこりともせず、可愛くなくクソ真面目な捜査員に徹しているあたり、これでいいのかなあ、と正直疑問でもあった。

そして始まったシーズン2。
主人公・糸村は、あまりにゴーイングマイウェイが過ぎたか、本庁から月島中央署という所轄に飛ばされていた。#1を見る限り明らかに左遷である。(実際は組織的とばっちりというのが適切のようだが)。しかも放送時間帯も水9から木9へ。なんだかテレ朝的に本庁=水9で、所轄=木9、なのかと思えてくる。まぁ、そういう事情でシーズン1のときの面子は全く出てこない。例外はあって、#1で大杉漣が出て、それなりにシーズン1と2の連続性を強調していたり、科捜研の村木(甲本雅弘)や、日本音響研究所所長の江藤女史(水野真紀)は、捜査の過程で糸村が頼って登場するということがある。ああ、願わくば横山君(波岡一喜)も再登場あらんことを(そして、出てきて、月島署の刑事たちに自分がいかに糸村によって苦労させられたか延々と愚痴る、みたいな)

糸村の新しい職場は月島中央署である。
こちらの刑事課の面々が、なかなかいい。これは「警視庁捜査一課9係」に負けてないぞと毎週楽しみでしょうがなくなってくる顔ぶれである。八嶋智人、眞島秀和、岡田義徳、正名僕蔵、田中哲司、そしてこれらの男たちを束ねる課長が斉藤由貴だ。このメンバーが集まって捜査の打ち合わせをしている場面だと、もうどこに焦点を合わせていいか分からなくて困る!なんとなれば、全員が芝居をしているからだ。

セリフがある者より、ない者の様子が堪らない。
セリフが多いのは八嶋だが、知で角がたつタイプを好演している。そしてそのセリフは他の面子の情動を引き起こすトリガーともなっている。それを聞きながら、思案顔の眞島や、進展しない捜査にウンザリしている感がよくでている岡田。あるいは、正名。正名はこれまでテレ朝ミステリで数々の「胡散臭い人物」を演じてきたが、いや刑事にもピタリはまっている。この月島署刑事たちの打ち合わせ場面は、録画したのをキャラの数だけ見返すことが多い。これは「9係」と同じだ。最初はこのキャラ、次はこちらのキャラと演じる役者さんを注目して見返してしまうのだ。いや、ほんと、セリフがなくても、机に座っているだけでも、なんと絵になる役者たちだろう! 

しかし、その役者たちの頂点に位置すると思うのが田中哲司であった。
いや、ほんと、この人は、こんなに巧い役者であったのだなあ、と。下手をすると糸村が長瀬に食われてしまうような存在感を感じさせる。とはいえ、けっしてアグレッシブに目立とうとしているわけでもない。あくまで自然体なのだ。#4のエンディングでは、事件解決しての署をあげての打ち上げで、机の上で胡坐をかいていたが、それがまた自然で!そして雰囲気があって!実にいい!

そして、この月島中央署の刑事たちが、シーズン1の本庁の刑事たちとは異なって、なかなかに糸村に優しい。いや、「よくわかんない!」「なんなんだ!あの人は!」という困惑は同じなのだが、それはそれとして、ほどよく糸村を受容している。本庁から左遷された糸村に同情しているというか。それとも、月島という場所にもよるのだろうか。つまり下町の人情ということである。シーズン1のときの、これでもかと徹底して糸村を邪険に扱っていたのとは、とにかく違って、糸村はおいといて、彼らは彼らの捜査をする。誰が目立つこともなく、とにかく「月島中央署の刑事」として事件解決のために骨身を惜しまず動く。

不思議なことに、この段階で、このドラマが単に糸村を主人公にした「遺留捜査」ではなく、彼ら月島中央署のデカたちの群像劇のように思えてきた。シーズン1のときの刑事たちもけして力量がないわけではないのに、今回の月島の刑事たちは、例え炎天下のアスファルトを歩いているだけのワンカットでも絵になり、その絵に物語を感じさせるとでもいうか・・・。

しかし、#5で、月島中央署の刑事の要、課長・水沢女史の右腕的存在であった長瀬が殉職してしまった・・・

ほんとうに惜しまれてならない。
斉藤由貴扮する女課長刑事に、ひそかにホの字とみえた長瀬であった。その恋の行方も回を重ねるごとに楽しませてくれたであろうに。
糸村の捜査手法に一目置いていた風でもあり、二人組んで捜査にあたるという回も見てみたかった。

なんだろう、舞台や映画、他ドラマの出演の兼ね合いであろうか。
(最初、「アウトレイジ ビヨンド」のせいでかと思ったが、きけばとっくにクランクアップしているという。ということは、別の仕事ということになる。ネットでは10月からのNHKドラマというのが有力候補だが果たして?)

長瀬刑事を失った月島中央署刑事課は、今後どうなるのだろう。誰が水沢課長の右腕となるのだろう。糸村・・・?いやあ、ありえんだろう。そういうことをしないのが糸村というキャラだ。

いや、もう、ただ単純に田中哲司さんの演技がもう、このドラマで見られないのかというだけで、とてつもなく打ちのめされる。長瀬清文という刑事、ここで終わらせてしまうのがほんとうに惜しい。シーズンを重ねるごとに、彼が見せてくれたであろう人となりを想像すると・・・仕方がない、妄想をたくましくし、夢を見ることにしよう。

とにかく、ああテレ朝よ、なんともったいないことをしたのだ!

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