2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 水面下で何が起きているかなんて知りたくもない | トップページ | 中国人も案外理想が低いな »

2013年4月 9日 (火)

映画「キング・オブ・マンハッタン~危険な賭け」

ネタバレしてますよ~。

ティム・ロス出演作として、久々に日本で劇場公開された「キング・オブ・マンハッタン~危険な賭け」を見てきた。

自分としても、劇場にまで足を運んだのは久しぶりのことである。

勿論、動機はティム・ロス見たさである。・・・しかし、そういう思い込みは、不味かったようだ。

この映画、リチャード・ギアの映画である。

ギアが実に輝いている。

ギア様ファンの方には、大変楽しかったことだろうと思われる。

ティム・ロスが扮したのは、ギアを追う刑事役。しかし、コロンボみたいに謎を解き、見事追い詰めるのかと思いきや、まんまとギア扮する主人公は逃げおおせてしまう。ううむ・・・がっかり。

でも、しょうがない。この映画はそういう映画だから。ギア様扮する、マンハッタンの王とも思しい金融界の大物が、本業でも私生活でもヤバい状況に陥りながら、なんとか!辛うじて逃げおおせる・・・しかし、完璧に逃げおおせて、ふっふっふっ、やったね!なんてオチじゃない。そこはそれ、かなりの痛みわけ。それはティム扮する刑事の手柄ではなく、スーザン・サランドン扮する妻の見事な一撃なのである。

この映画、だから、誰もが痛みわけ、なオチなのだ。

巨万の富を抱く何一つ不満のない成功者と世間には思われている主人公も、一皮向けば、その成功はつなわたりで、一つの失敗を,糊塗し、なんとか逃れても、妻から痛烈な鉄槌を浴びせられるし、

何一つ不自由ない優雅な暮らしをしているNYのセレブ女性であろうと思われてる主人公の妻は、やはり夫の女性関係や、自分が省みられていないことに悩み、

素晴らしい父を敬愛し、その父の、自分はパートナーなんだと自負していた娘は、その敬愛の念も、自負も打ち砕かれ、

非常に悔しい思いをして、腹でむかつきながら、面では優雅に笑ってみせる・・・そういう、NYの非常に裕福な人々に軸足を置いた話。だから、下層民であろうNY市警の刑事という時点で、もう勝利なんてない。(主人公のオフィスまわりや、邸宅や、愛人宅などのオシャレーかつ如何にも優雅なインテリアと比較して、警察や司法関係の部屋の、いかにも汚くて金のかかってなさそうなセットであったことよ。この映画はそういうところも分りやすかった)

これが「相棒」なら、杉下右京は屁理屈をこねくりまわしたりしながら、なんとかお縄にするかもしれないが、

「キング・オブ・マンハッタン」はミステリーではない。まぁまぁ社会派のシリアスドラマなのだ。

観客は「え~、こんなオチなの~」と釈然としない思いをかかえて悶々とするべきなのである。

まぁね、私だって不満に思いますよ。「マクベス」だってね、最後は破滅するのにな~ってねwww

で、やはりティム・ロスこそを楽しみにしている人間からすると、DVDスルー作品だった、こないだの「ヒットマンレクイエム」のほうが、ティム観賞としては堪能できたかも・・・とおもったりするwww

しかし、この「キング・オブ・マンハッタン」におけるティム・ロス、予告編などでは、取調べシーンでの、体を斜めにする座り方など、なんだか「ライ・トゥ・ミー」のカル・ライトマンみたいで、演じ分けられてるのかと、見る前はかなり心配だったのだが、

いや~。杞憂だった。

今回のブライヤー刑事は、カル・ライトマンより、もっと酷な人だな。ユーモアのセンスもなさそう。カルのように悪ふざけをしてのけることもないだろう。

こないだみた「クロムウェル」のクロムウェルに近い感じがしなくもないかな?

ブライヤー刑事とカルが犯罪現場でかちあったら、恐らくお互いそりが合わないと感じるのではないかと思われる。とにかくブライヤーのほうで「あのうるさいの、つまみだせ!」とキレることは間違いない。うん、そんな感じ。

にしても、ブライヤーの、劇中のセリフ、一言一句覚えているわけじゃないのだが、「金持ちが、特権を振りかざして、犯罪を逃げるのはもう沢山だ、許せない」みたいなの、あれはティム・ロス個人の、相当本音に近いものじゃないかという気がする。

イギリスの王侯貴族に対しても、全員首を切れ!みたいなことをいってたことがあったし、王族にいたっては、数百年さかのぼって追徴課税しろ!とかツイートしてたし。

ケン・ローチのような共産主義にも相当シンパらしいし。

そうなると・・・果たしてティムは、この映画の監督、ニコラス・ジャレッキーとは、うまくやれてたのか不安になる。相当いいトコのお坊ちゃんらしいじゃないか。父親が実際、ギア扮する主人公に近いことをしてるらしいし(犯罪を、じゃなくて、お仕事が、であるよ、念のため)。

ところで、この映画に関する感想を各所で見ているのだが、あまり監督ニコラス・ジャレッキーのことを話題にしていないのが気になる。これが、処女作(長編娯楽映画として)ということを考えたら、この手腕はかなり手際がいいといえないだろうか。

まぁ、圧倒的に感動させられる、ということはないのだ。セリフも、陳腐かなあ?型にはまってないかなあ?と思わされたこともあったし。しかし、これが処女作というのは、ほんとに手堅い作品だと思う。無難すぎて、特に感じないのだろうか。

あと、この本作の原作について検索をかけてきた方がいらっしゃるようだが、この映画、原作はございませんよ。監督のニコラス・ジャレッキーの完全オリジナル脚本。まぁ、思うに、子供の頃から眺めてきた金満ニューヨーカーについての見聞を纏めて作り上げた作品なんじゃないのかな。

最後になるけど、ギアの娘に扮したブリット・マーリングの美しさよ!ほんとにウットリした!いま一番アメリカでブリリアントな女優なんじゃないのだろうか。美しいだけでなく知的で優雅、これだけ3拍子そろった女優はちょっといないぞ。

« 水面下で何が起きているかなんて知りたくもない | トップページ | 中国人も案外理想が低いな »